えんぶり写真・人形展 『えんぶりの里』
2008.02.11
去年は見逃してしまった、えんぶり写真・人形展『えんぶりの里』を見に行って参りました。 リカープラザ夢ギャラリー 八戸市江陽2丁目 2008.02.01~2008.02.29 9:00~19:00(最終日は午前中のみ) お正月に三春屋でも見ましたが、人形の数がぐっと増えてそらもう圧巻!! 糠塚 帰り 摺りを無事終え、酒袋を提げて宿に戻る安堵の表情が滲み出ています。 貸切だったので、まずはじっくり観察。 大久保 太夫 1体1体烏帽子も違えば手にしているものも違い、「さきた見だのはどんだったべ?」と行ったり来たり、2周してしまいました。 塩町 太夫 うーん、かっこいい…!! 小中野 太夫 ギャラリーのひとに撮影の許可を頂いて、再度会場をぐるぐるしていると、作者のSさんがいらっしゃって、直々に各人形についての解説をきく幸運に恵まれました。 しかも実演もはさみつつです。 中居林 御礼…を実演するSさん。 中居林 御礼 はじめはお尻をぽんと突き出した姿勢で製作したそうですが、組の方から「これは嘘!!腰は後ろにひかず、ぐっとおろすんだよ」と指摘され、作り直したそうです。 同じ御礼でも、各組によって杖の持ち方に違いがあるそうです。 中居林は手の甲を上にして持ち、そして杖の先(地面につく方)は決して中央の藤九郎には向けないのだそうです。 売市 藤九郎 なんでハチマキが蝶結びでねえんだべ?と気になっていましたが、えんぶりは農民のまつりですが売市は侍えんぶりであるため、ハチマキを引っ張られて烏帽子がとれてしまい髷が見えることのないように堅結びにするそうです。 太夫以外のひとたちも、髷をかくすために角頭巾をかぶります。 これまた烏帽子に田植えをする女性を描いたところ、「男えんぶりだから、烏帽子にも女性は描かれない」と指摘を受けて作り直したそうです。 衣装ももちろんですが、太夫が持つ杖の先につく鳴輪やナリゴもついているもののかたち、つき方が各組それぞれ違います。 杖自体もねじねじ模様になっていたり、なんとなーく見ているだけでは気付かないところまで精密につくられています。 重地 藤九郎 更に動きにあわせてハチマキや羽織の裾がなびいていたり、タテガミが散っていたりと、動きの表情も豊か。 暖かい室内にいるのに、寒風の中で摺りを見ているようなきもちになってきます。 たてがみの見事さといったら!! 十一日町 太夫 糠塚 摺り込み ぎゅっと低くした姿勢から、ぱっと顔を上げたときの凛とした瞬間。 Sさんは本来人見知りしがちだそうですが、えんぶりのこととなると…!! 年上の方には失礼ではありますが、まるでアイドルに恋する乙女のようで非常にかわいらしい方でした。 顎紐の先から見えている白いものは、顎紐の先の中綿がのぞいているのを再現されているそうです。 豆絞の点々、松葉1本1本までSさんのえんぶりへの愛があらわれています。 横町 藤九郎 烏帽子に描かれた文字のひとつひとつまで再現されています。 ミニチュアとは思えない…。 尻内 藤九郎 年に1度、えんぶりの期間しか取材できないために、Sさん独創の烏帽子をかぶったものも何体かあるそうです。正確に作り直したいし、新しい人形も作りたいし、悩みはつきないようです。 中居林 田植え 3人しか写っていませんが、太夫が5人並んだ大作です。 なかなかいい台座が見つからず、七戸でようやっと70cmの台座を見つけたものの今までのサイズだと5人並ばない…結果、人形、烏帽子、装束すべてを更に小さくして作製したそうです。 あまりの迫力に人形の大きさには気がつきませんでした。 この迫力は実際に会場に足をはこんで堪能してください。 えんぶりの見所だけではなく、何度も飢饉に苦しめられたこの地のひとびとの願いや祈り、生きようとする力を感じることも大事だと教えていただきました。 Sさんからお話を伺ってから見る今晩からのえんぶり、涙なしでは見られそうもありません。 塩町 摺り込み 「衣装でも摺りの姿でも、お気に入りの組をひとつ見つけるとぐっとたのしくなりますよ!!」とのことでしたが、これだけ各組の違いを見せ付けられると…1組にはしぼられませーん!!
by bayabayatto
| 2008-02-16 10:56
| えんぶり
|
最新の記事
以前の記事
タグ
植物(612)
いきもの(405) 神社(368) たべもの(265) 行事(176) はちのへ(171) 狛犬(137) 公園(110) まちかど(101) 建物(73) 寺院(50) 狛犬以外(40) 津軽(30) 参拝名人(22) 観音堂(4) あおもり(3) 御堂(3) 南部(3) 郵便(2) やがん(2) 検索
カテゴリ
その他のジャンル
記事ランキング
|
ファン申請 |
||